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セミナー情報

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題目・講義名
3次元Kitaev模型における量子スピン液体への有限温度相転移とその磁気状態
講師・担当教員
那須 譲治 氏(物性物理学専攻・助教)
日時
2014年4月24日(木)16:00-
場所
本館2階 H284A 物理学科輪講室
要旨
近年,固体物理や量子情報などを含む幅広い分野でKitaev模型が注目を集めている[1]。この模型は2次元蜂の巣格子上の量子スピン模型として定義され,局所的な保存量を持つことから厳密に解くことができる。一方で,Kitaev模型を3次元Hyperhoneycomb格子に拡張する試みも行われている[2]。この模型は蜂の巣格子上のKitaev模型同様,局所的な保存量を持ち,基底状態におけるgap相ではトポロジカル秩序を有するZ2量子スピン液体であることが指摘されている。一方,この3次元模型には保存量に局所拘束条件が存在する。この2次元模型にはない条件により,励起状態として,励起された局所保存量がループを作るもののみが許される[3]。本研究では,この模型にモンテカルロ法を適用し有限温度の性質を調べた[4]。その結果,局所拘束条件に起因して量子スピン液体と常磁性状態の間で有限温度相転移が生じることが明らかとなった。また,この転移は励起されたループのトポロジーによって特徴付けられることがわかった。これに加えて,我々は磁化率の温度変化を調べた。その結果,磁化率は高温でCurie則に従い,低温ではVan Vleck常磁性的な温度に依存しない振る舞いを示す。また,転移点においては:磁化率は連続的に変化する一方,磁化率の温度微分が発散的な増大を示すことが明らかになった。
[1] A. Kitaev, Ann. Phys. 321, 2 (2006).
[2] S. Mandal and N. Surendran, Phys. Rev. B 79, 024426 (2009).
[3] S. Mandal and N. Surendran, arXiv:1101.3718.
[4] J. Nasu et al., Phys. Rev. B 89, 115125 (2014).
連絡先
物性物理学専攻 古賀昌久(2727)
講義資料(PDF)
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